クレーター

クレーターはいん石の落ちた跡やの地殻変動の跡だとされている.

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月面をおおうクレーター
提供:国立天文台広報普及室

一番大きなもので直径230km,直径1km以上のものは30万個もある.クレーターにはいくつか分類がなされており,大きく分けてカルデラクレーター・グラーベンクレーター・気泡クレーター・幻クレーターがある.カルデラクレーターはコペルニクスやティコのような,比較的小型で見えやすいクレーター.地球上での火山爆発時にできるカルデラと似ており,ほぼ円形で外輪を持っている.内部は段構造をしており,その周りには噴出物が飛び散ってできた光条を伴うものが多い.
グラーベンクレーターはプトレマイオスのような地殻にできた構造線に沿ってあるクレーター.構造線に沿って陥没してできたものと考えられている.月に存在する大型クレーターの大部分はこの種のクレーターである.
気泡クレーターは望遠鏡でやっと見える程度の,月表面に無数に存在する小さなクレーター.火口原が狭く深いすり鉢状の構造で,穴の縁部分が少し盛り上がっている.あたかも溶岩中の気泡が抜け出たように見える.このようなクレーターは満月近くになると明るい点となって輝いてみえる.
幻クレーターはクレーター全体が埋もれてしまって火口壁の頂だけがかろうじて残ったように見えるクレーター.このクレーターは内部は外側の海と同じ物質,頂部分を陸の明るく見える物質でできている.

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参考文献

小平桂一 日江井栄二郎 堀源一郎 1987 天文の辞典 平凡社
古在由秀 1979 現代天文学講座2 月と小惑星 恒星社