月面には,明るく光っている部分と暗い部分とがあるが,この暗い部分のことを「海」と呼ぶ.
この呼び方は,月の表側全域の地図を初めて作ったラングレヌスによる(1645年に月面図を出版).もちろん,月の海には液体の水はなく,溶岩が固まったものである.これは,約30億年以上前,月の火山活動が盛んであった時代にできたものと考えられている.その時代までには,月への天体の衝突頻度はかなり小さくなっていたので,明るい高地(陸)に比べると海ではクレーターが少なくなっている.
古在由秀編「月と小惑星」,1983年,恒星社