フレア

太陽活動領域(黒点)は,太陽内部から浮上した磁束管の断面であり,その上空には磁場のエネルギーが蓄えられている.活動領域が発達するにつれて,ガス運動等にひきずられ磁場のエネルギーは増大する.そこに下から新たな磁場が浮上して,上空の磁場とぶつかった時,磁場はよりエネルギーの低い状態に移ろうとして磁力線のつなぎかえ(リコネクション)が起こる.この際余分の磁場のエネルギーが一気に解放されるのがフレアである.

フレアはコロナ(軟X線)や彩層(Hα)で最も明るく顕著に観測されるが,場合によっては白色光でも見られることがある.フレアの継続時間は1分から長くて30分程度,放出されるエネルギーは最大10の32乗エルグにも及ぶ.

また最近ではマイクロフレア・ピコフレアと呼ばれる,上記よりもはるかに規模が小さいリコネクション現象が頻繁に起こっていると言われ,コロナ加熱に関与していると考えられている.

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