電波望遠鏡

天体からの電波を受信し,測定する,あるいは電波画像を作る望遠鏡をいう.

電波望遠鏡は大きくわけると,(1)すりばち型の円盤で電波を集めるパラボラアンテナ型,(2)テレビやラジオの受信用アンテナと同じような型,(3)複数の電波望遠鏡を組み合わせて使うものに分かれる.電波天文学では(1)と(3)は研究者が,(2)はアマチュアがよく使用している.

電波は金属で十分に反射させることが可能なので,電波望遠鏡は金属の骨組みのみで作られている.電波を受ける部分も,フィルムやCCDなどではなく,無線の受信機と同じ原理の装置が使用される.電波の画像を作る場合は,電波望遠鏡を目標の領域内を縦横に少しづつ動かしていく.

電波は光に比べて波長が非常に長いので,天体の細かい部分まで観測するために口径が大きいものが必要である.1つの電波望遠鏡では口径を大きくするのにも限界があるので,複数の電波望遠鏡のデータを合成して,1つの大口径の望遠鏡のようにみせる開口合成という方法がとられることが多い.大陸間など,非常に遠距離で行なう開口合成にVLBIがある.また,1997年2月に宇宙科学研究所が打上げた電波天文衛星はるかは,人工衛星と地上の電波望遠鏡間でVLBIを行なうものである.

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参考文献

西村史朗他編「宇宙の観測1」恒星社,他