Very Long Baseline Interferometerの略で，超長基線干渉計ともいう．日本とオーストラリアなど，大変離れた位置にある複数の電波望遠鏡同士で作る干渉計をいう．干渉は原子時計のクロック信号とともにデジタル記録データを，観測後に比較することで行う．

シングルディッシュの観測では，野辺山の45ｍの電波望遠鏡で波長２ミリの電波で観測したとすると，可視光で口径わずか１cmの望遠鏡で天体を見るのと同じ性能になってしまう．しかし海外の望遠鏡とのＶＬＢＩ観測だとすると，理論上口径8.2ｍのすばる望遠鏡より100倍も細かい部分までみえる電波画像が得られることになる．1997年2月に打上げられた電波天文衛星はるかと，地上の望遠鏡によるＶＬＢＩは，スペースＶＬＢＩと呼ばれている．

	西村史朗「宇宙の観測１」恒星社