ケプラー式望遠鏡

対物レンズ,接眼レンズとも凸レンズを組み合わせた屈折望遠鏡.ヨハネス・ケプラー(Johannes Kepler)が1611年に考案した.

特徴は,倒立像が見える.また,倍率を大きくしても,ガリレオ式ほどに視野が狭くならない.天体望遠鏡に使用され,対物レンズの焦点面に十字線やマイクロメーターを挿入できるため,子午儀,子午環,経緯儀,天頂儀などの測量望遠鏡としても使われている.

なお,ケプラーは実際にはこの望遠鏡を製作しておらず,ケプラー式望遠鏡製作の第1号は,クリストフ・シャイナー(Christoph Scheiner)だとされている.

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参考文献

天文・宇宙の辞典編集委員会編, 1986, 改訂版 天文・宇宙の辞典, p177, 恒星社
吉田正太郎, 1989, 天文アマチュアのための望遠鏡光学・屈折編, p9-10, 誠文堂新光社