パロマ山天文台

1948年開設.アメリカ合衆国カリフォルニア州パサデナ近郊の1706mのパロマ山にある.ウィルソン山天文台などとともにカルテクに所属.508cm(5m)・150cmの各反射望遠鏡,126cm・46cmの各シュミットカメラがある.

5m反射望遠鏡は,完成から1976年まで世界最大の光学望遠鏡であり,銀河などの観測研究に多大な成果をあげてきた.アープは5m反射望遠鏡を使って,300点あまりの特異な銀河の写真集を出版している(アープカタログ).

また,サンデージはケンブリッジ天文台の作成した3Cカタログの天体を5m反射望遠鏡で捜査し,それが恒星状の天体であることを発見した.さらにマーティン・シュミットは3C273を観測しその異常な特性を確認した.これら一連の観測からサンデージ,シュミット,それにマシューズは恒星状電波源クエーサーを発見している.

また,シュミットカメラでは全天をカバーする「掃天観測」が行われ,それによって得られた写真集パロマ・スカイアトラスは,天体の統計的研究などに広く利用されている.たとえば,ウプサラ銀河カタログ(UGC),Abell銀河団カタログ,リンズ暗黒星雲カタログ,RNGCなどがあげられる.なお,パロマー山天文台から観測できない南天の分は,オーストラリアのサイディングスプリング天文台ESOのシュミットカメラが補っている.

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