クエーサー Quasar

遠方の,異常に明るい銀河中心核が,見かけ上恒星のように見えている天体.恒星状に見えるので,準恒星状天体(quasi-stellar object,QSO)と呼ばれ,さらにこの英語呼称を略されてクエーサーと呼ばれる.

活動銀河の中心核が,銀河本体よりはるかに明るく,それが遠方にあるために銀河本体が暗くなってしまって,中心核だけが際だって見えている.そのために恒星状に見える.大きな赤方偏移を持つが,それが宇宙膨張によるものとすれば,クエーサーは非常に遠方にあり,明るさも典型的銀河よりはるかに明るいことになる.一方,しばしば明るさの変動が観測され,変化の時間から推定される明るい部分の大きさは太陽系より小さい.活動銀河中心核ブラックホール降着円盤)のもっとも明るい部類で遠方にあるものと考えられている.現在,1000個以上のクエーサーが発見されている.すべての波長域で明るいが,なかでも電波が特に強いクエーサーは全体の1割くらいである.

以前は準星と呼ばれたこともあった.

3C273などが有名.

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