恒星 fixed star,star

夜空に見える星は,惑星や月を除いては相互の位置関係はほとんど変わらない.天球上の位置が不変で恒久的に見えるので,昔の人はこのような星を恒星と名付けた.その名残が今日も続いているのである.

星の距離と大きさ,性質がはっきりした現在,これらの恒星はすべて自ら光を放っている高温のガス体で,太陽のような天体であることが分かっている.もちろん,太陽は最も身近で最もよく調べられている恒星である.

肉眼で見える恒星は6等星までで,全天では約6000個であるが,これらの距離はだいたい数百光年以内である.これは銀河系全体から見ると,ごく小部分にすぎない.一般に銀河系のような銀河では,おのおのに約100億から2000億個程度の恒星が含まれる.
これらの恒星は原子核反応によって,エネルギーを放射し,質量や環境の違いによって,それぞれの進化の道筋をたどって,恒星としての一生を過ごしていくのである.
実際には恒星も運動している.距離が遠いため見つけにくいだけで,精密に測るとその見かけの位置の変化が固有運動として検出される.また,明るさの変わる恒星もある.そのような恒星は変光星と呼ばれている.

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参考文献

天文用語辞典 P54-P55 (誠文堂新光社)
天文・宇宙の辞典 P191 (恒星社)