惑星状星雲の詳細(発光原理)

太陽と同程度ないし数倍の質量の恒星は,その一生を終える前に赤色巨星へと進化する.その際質量放出という現象で,星の表面のガスはゆっくりと星間空間へ向けて放出され拡がってゆく.
一方,星の中心は収縮し非常に高温になり,白色矮星となる.この白色矮星のことを,惑星状星雲の中心星と呼ぶ.この中心星から放射される紫外線により,拡がったガスは電離され,何種類かの輝線を放出している.惑星状星雲の発光は,水素の再結合線と衝突励起による禁制線によるものが主である.再結合線では,水素バルマー系列の6563Å(Hα),4861Å(Hβ),4340Å(Hγ)の輝線が目立つ.禁制線では,電離窒素の[NII]5755,6548,6584Å,電離酸素の[OII]3727,3729Å,[OIII]5007Åの輝線が目立つ.

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参考文献

宮本昌典編 「現代天文学講座8 銀河系」 恒星社