星間ダスト

銀河の中の,星と星の間の空間に星間ガスに混じって存在している固体微粒子.グラファイト(石墨,炭素の結晶),シリケイト(ケイ酸塩)などを主体とするさまざまな成分からなる.粒子の大きさも0.01〜10μm程度までさまざまである.

紫外線,可視光線を吸収散乱するため,星間ダストが分布していると,背景の天体の光(紫外線・可視光線・近赤外線)がダストが無いときに比べて減光されて見える.しかも短い波長の光ほど良く吸収散乱するので,背景の天体がより赤く見える(星間赤化).また,星の光などで暖められて赤外線を放射する.

暗黒星雲が背景の星の光を遮っているのは,星雲の正体である高密度の分子雲では星間ダストの量も多く,吸収量が大きいからである.星間ガスにたいする質量比は1%程度.

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参考文献

奥村・黒田・高原・森本, 新版地学教育講座13「宇宙・銀河・星」,1996,東海大学出版会
小暮智一,星間物理学,1994,ごとう書房