吸収線

線スペクトルで暗い線になっているものをいい,暗線ともいう.

吸収線は輝線とともに1859年にキルヒホフブンゼンの実験によりその分析法が確立されたものである.彼らはガスバーナーのナトリウムの炎を通して炭素棒による電弧の高温の光を分光器で観測した.すると連続スペクトル中にナトリウムの吸収線が観測され,このことから分析法を確立した.

一般に光源からの光が低温のガスを通過すると光が吸収され,吸収線が生じる.したがって,天体から来た光の場合も吸収線があるということはその天体が低温のガスがあることを示している.

また,星の場合は中心部が高温であって,その外層は中心部に比べて低温である.そのため中心部から出た光は外層部のガスで吸収され,吸収線を生じる.

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参考文献

ウンゼルト,1968,現代天文学,岩波書店