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1675年,デンマークのレーマーは木星の衛星の食を長年にわたって観測したところ,その時刻が1年を周期として変化することを発見した.これは,1年を周期として木星と地球の距離が変化し,光の速度が有限であるからであると結論づけ,光の速度を約秒速28万km(現在の値は秒速299,792km)と計算した.食の時刻の差は,木星が最も遠い時と近い時の距離の差,つまり,地球の公転軌道の直径を光が横切る時の時間と考え,光の速さを測定したわけである.これは光の速さは無限と考えていた当時としては大変な発見であったが,レーマーの存命中はこの結果は一般には受け入れられなかった.フランスのフィゾーが地上の実験で光速度を測定する174年も前のことである. 参考文献
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