古代インドの文明はインダス川流域を中心に発展した.インドの天文学は大きく以下の5つの時代に分けられる.
第1期は二十七宿の星座が成立したが,それ以外は特に見るべき点はない. 第2期では「ジョーティシャ・ヴェーダーンガ」と呼ばれる暦法書が著され,1年を365日,5年に2回の閏月を置いた. 第3期は紀元150年頃に出版された「ヤヴァナ・ジャータカ」という占星術の本が著されたが,その最後の章は惑星現象の数学的記述がなされていた.その後,ギリシャのプトレマイオス等の著述が翻訳され,アラビアにも伝達された.
桜井邦朋,1990,天文学史,P26-28,朝倉書店 矢野道雄,1982,天文学史,P58-59,恒星社厚生閣