ケフェウス座
ギリシャ神話

学名:Cepheus略符:Cep概略位置:赤経22時00分:赤緯+70度・21時南中:10月17日肉眼星数:117星座面積:588平方度

夏の大三角からカシオペヤ座のWの方に目をやると3等星,4等星で綴る5角形が見つかる.星座絵では,神話のエチオピア国の王ケフェウスの姿を描くが,5角形が目立つのみで星座絵の想像にはちょっと無理がある.この星座はプトレマイオスの48星座の一つで古くから知られる.

ケフェウス座に明るい星は少ないが,星座の五角形は案外簡単に見つかる.μ星は低倍率の望遠鏡でみると非常に赤味をおびた美しい輝きを見せてくれるところから,宝石のガーネット(ざくろ石)になぞらえてガーネット・スターと呼ばれている.命名は天王星の発見で有名なW・ハーシェルだ.この星は超巨星で表面温度は2000度にも満たないため非常に赤く見える.またδ星はケフェウス座δ型変光星(セファイド)の代表星として知られている.1782年,J・グドリクによって発見されたものだが,4.1等から5.2等まで規則正しく変光を繰り返している(変光周期は5.3663日).また,この星座でおもしろいのは歳差現象による天の北極の移動径路に当たっているため,今後,西暦4000年頃にはγ星(エライ)が,6000年頃にはβ星(アルフィルク)が,そして,7500年頃にはα星(アルデラミン)がそれぞれ北極星になる.