くじら座
ギリシャ神話

学名:Cetus・略符:Cet・概略位置:赤経01時45分・赤緯:−12度・20時南中:12月13日・肉眼星数:125・星座面積:1231平方度

ギリシャ神話のエチオピア王家にまつわる星座の一つである.ペガススの四辺形の東側の2星を南に延ばしてくじらの尻尾を見つけてその東側に広がる星列から巨体を想像できる.星座絵では実際の鯨とは違ったお化け鯨として描かれている.星座面積からみると4番目にランクされる大きな星座だが,肉眼星数は125個で1等星は無く,2等星が1個,3等星が1個,4等星が10個で大半は微光星である.

ο星はミラ(ふしぎなの意味)と呼ばれる有名な変光星で,ミラ型変光星の代表星だ.1596年,ドイツのD.ファブリチウスによって変光星第1号として発見された.変光の原因は,星の表面が不安定で332日足らずの周期で膨張収縮を繰り返す(脈動)もので,2〜4等級から10等級まで変化し,明るくなった時は約3ヶ月ほど肉眼で見ることができる.また,τ星が太陽によく似ているという理由から,進化した宇宙生物の存在が想像され,宇宙人の発する電波を探索する試みが1960年にアメリカで実施された(オズマ計画).固有名はα星がメンカル(鼻),β星はデネブ・カイトス(くじらの尾)といいこの星座の一番明るい星.ι星も同じくデネブ・カイトスと呼ばれるのだが,正確にはβ星は鯨の尾が二またに分かれた南側の尾をさし,ι星は北側の尾をさす.ζ星はバテン・カイトス(くじらの腹).