からす座の神話

ギリシャのテッサリアの王にコロニスという美しい娘がいた.やがて日の神アポロンに愛されることになり,銀色の羽をもって人間の言葉も理解するというお利口なからすを使いとして与えた.ある日,からすはコロニスが見知らぬ男と喋っているのを見て,主人であるアポロンに告げ口をした.怒ったアポロンは矢を放ちコロニスを殺した.からすの告げ口を本気にして美しいコロニスに矢を射てしまったアポロンは,罰としてこの嘘つきからすの美しい銀色の羽を醜い黒色に変え,言葉もとりあげてしまった.さらに4本の銀の釘で天に打ち付け,空に見えるのは,その釘の頭だけだという.

なお,コロニスが死ぬとき胎内からアポロンとの子アスクレピオス(へびつかい座)をとり上げたのが名医ケイロン(いて座)であるといわれている.