いて座
いて座の神話

学名: Sagittarius・略符:Sgr・概略位置:赤経19時0分・赤緯−28度・20時南中:9月2日・肉眼星数:148・星座面積:867平方度

日本では夏の天の川が南の空へ流れ落ちる地平線上,さそり座の東(左)側に見える.星座絵では上半身を人間の姿に,下半身を馬の姿に描いて,弓矢で隣のさそり座を狙っている.

いて座のあたりは天の川が最も濃く見えるが,これはこの星座が銀河系の中心の方向にあるからである.また,それと関係していて座の方向には様々な天体が集中している.有名なものでは,反射星雲と散開星団がある干潟星雲M8.反射星雲でパンジー星雲あるいは三裂星雲といわれるM20.さらに,M22をはじめとする多数の球状星団がある.また,非常に強力な電波をだしているいて座Aという天体があり,ここが銀河系の中心だと考えられている.

いて座の東半分,ζτσφλμ星で綴るひしゃく形は,古来中国では南斗六星と呼ばれる.北斗は死を,南斗は生をつかさどるとされ,二十八宿で斗宿にあたる.西洋ではこの南斗六星をミルク・ディッパー(ミルクさじ)と呼ぶ.各星の固有名は,α星ルクバト(射手のひだ),β星アルカブ(射手のアキレスけん),γ星アル・ナスル(矢の先端),δ星カウス・メディア(弓の中央部分),ε星カウス・アウストラリス(弓の南の部分),ζ星アスケラ(わきの下),λ星カウス・ボレアレス(弓の北の部分).である.