等級 magnitude

天体の明るさの単位.数が大きいほど暗い天体になる.

西暦150年頃,ギリシャのヒッパルコスは,全天に見える恒星のうち最も良く光る20個ほどの星を1等星,そこから暗くなるにつれて2等星,3等星と分類し,肉眼でようやく見える暗い星を6等星とした.1830年頃ハーシェルは,各等級の星の明るさを測定し次の関係を見いだした.

 (1)1等星の平均の明るさは6等星の平均の明るさの100倍である.
 (2)等級が等差級数で進めば星の明るさは等比級数で減ずる.

これは「人間の感覚は刺激の対数に比例する」ためであり,m等級の星の明るさを数式数式等級の星の明るさを数式とすれば,数式となる.ここで は1より小さい常数である.m= n= とおけば, (1)= 100 (6)であるから,数式,または,数式,つまり1等級大きくなれば,星の明るさは約1/2.5減ることになる.1/Kのことを一般に光比と呼ぶ.

実視等級と絶対等級

天体までの距離によっても,その明るさは変化をする.光の強度は,距離の二乗に反比例するので,実際に見える天体の明るさである実視等級に対し,全ての天体をある一定の距離に換算した絶対等級がしばしば用いられている.

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