宇宙航行力学の基礎

推力の弱いロケットは,ある程度飛んで自然に落下する弾道軌道をとる.

ロケットの推力をあげていくと,ロケットの落下地点はどんどん延長され,ある速度(第1宇宙速度)に達したとき,地上にぶつからない軌道になる.それが周回軌道であり,ロケットは人工衛星となる.

さらに推力をあげていくと,より高い(軌道の直径が大きくなる)位置の周回軌道になる.

さらに推力をあげると,ある速度(第2宇宙速度)でロケットは地球の重力圏を脱出して地球にもどらなくなる.ただし太陽系の重力にはとらえられるので人工惑星となる.火星や金星の探査機がこの軌道である.

さらに推力をあげると,ある速度(第3宇宙速度)太陽系の重力圏も脱出してしまう.木星より先に向かう探査機は,この太陽系脱出軌道をとる.

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参考文献

高畑文雄他「宇宙技術入門」オーム社
室津義定「宇宙航行力学」共立出版
宇宙科学研究所(ISAS)「ISASニュース」