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火星・木星への探査機の飛行の手順は内惑星とほぼ同じである.土星以遠の惑星への飛行は,ホーマン軌道というより,太陽系脱出の,太陽を焦点とする双曲線軌道に近いコースをとる. 地球軌道上での太陽系脱出速度46.7km/秒(地球の公転方向に打ち上げた場合は,地球の公転速度が利用できるので16.7km/秒=第3宇宙速度)を得るため,スイングバイで加速する探査機が多い.ヴォイジャー2号探査機は,打ち上げ時には木星にいける速度しかなかったが,スイングバイを重ねて速度をあげ,土星,天王星,海王星をすぎて太陽系を脱出した. 初の木星以遠への探査機は,1972年打ち上げのアメリカのパイオニア10号.高価な大型キックモーターが使えたこの探査機は,打ち上げ翌年の1973年に木星に到達した.最近は弱いキックモーターしか使えないため,ガリレオ探査機は1989年打ち上げ,金星や地球によるスイングバイで加速し,6年後の1995年末にようやく木星についた.現在まで,木星以遠の惑星探査機はアメリカの6機しかない.最近打ち上げられたのは土星へ向かうNASA/ESAのカッシーニ探査機がある. |