ヴォイジャー計画(アメリカ)

アメリカの外惑星探査計画.

探査機の製作,運用はカリフォルニア工科大学のジェット推進研究所(JPL)が行なった.1977年の打上げ時には,予算の関係で土星までの探査だけが承認されていたが,後に延長された.特にヴォイジャー2号は,今世紀後半の外惑星の位置関係を利用し,1つの探査機を次々と4惑星に接近させる史上初の計画.天王星海王星への接近しての探査は,現在でもヴォイジャー2号が行なったのみである.

探査機はガリレオなどから比較して小型で,重量815kg,カメラはCCDが実用化される前でヴィジコンを使用しており,データ送信用の電力は23ワットであった.2種類のカメラ,分光器,紫外線分光器,赤外線探査装置,宇宙線検出装置,プラズマ測定器等を搭載.

1977年8月打ち上げのヴォイジャー2号は,1979年7月に木星から65万kmまで近づき,写真撮影など観測を行った.ヴォイジャー2号はその後,1981年8月土星に約10万kmまで接近,1986年1月天王星に約7万kmまで接近し史上初の近接撮影を行い,1989年8月海王星に約5000kmまで接近し史上初の近接撮影を行い,太陽系を脱出した.

1977年9月打ち上げのヴォイジャー1号は,1979年3月に木星から約28万kmまで接近して写真撮影などを行った.ヴォイジャー1号はその後1980年11月土星から約12万kmに接近して写真撮影などを行い,1990年太陽から64億km以上の彼方から撮影した,太陽系全体の合成画像を発表し,1992年には太陽圏の境界面ヘリオポーズの証拠とされる電波を観測し,太陽系を脱出し,1998年1月にはパイオニア11号を抜いて最も遠方にある探査機となった.

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参考文献

Jane's「Spacecraft Directory」Interavia
インターネットのホームページ