|
通常,次の手順で飛行する. 打ち上げ→高度数100kmの地球周回軌道(パーキング軌道)→キックモーターで地球の重力圏脱出&准ホーマン軌道投入→惑星に到着→フライバイ式のものは短時間観測をして自動的に惑星の重力圏から出ていく.惑星周回する場合は,スラスターをふかして惑星周回軌道にのせる. 内惑星へのホーマン軌道は,地球軌道よりも位置エネルギーが低い軌道に向かわせるわけなので,地球の公転速度よりも遅くさせる(逆に加速)必要がある.ホーマン軌道にのった場合,金星までは約150日かかる. 1950〜1960年代の惑星探査機は,失敗率7割くらいであったが,失敗の多くはホーマン軌道への投入の失敗である.日本の文部省宇宙科学研究所の「すいせい」のように,パーキング軌道をとらず直接ホーマン軌道にのせることも可能だ.この場合キックモーターがいらないので,中型ロケットでも惑星探査機があげられるが,高い軌道投入技術が必要である.初の成功した内惑星探査機は,1964年アメリカの火星に向かったマリナー4号で,初めて惑星の表面写真を撮影した.惑星表面への初の軟着陸は1970年,金星におりたソ連の金星(ヴェネラ)7号. 1996年4月までに,水星に1,金星に20,火星に13,ハレー彗星に6,木星以遠に5,(月に51)の惑星探査機が到達したが,失敗した探査機数も同じくらいある. |