水星 Mercury

太陽系惑星のなかで太陽にもっとも近い軌道を回る第1惑星.

水星は太陽に近く,最大離角が約28度と小さいため,なかなか見ることができない.そのため,地動説をとなえたコペルニクスが水星を一度も見ることがなかったのは有名な逸話である.

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公転周期は約88日,太陽からの平均距離は約5800万km,体積と質量は地球の約18分の1に過ぎないが,平均密度は地球とほぼ等しく地球型惑星の一つである.水星は公転周期が約88日であるのに対して,その自転周期が約59日もあり,水星での1年は約1.5日ということになる.1974年から1975年にかけて行われたマリナー10号探査機による観測では,水星表面のようすは月によく似たクレーターに覆われており,表面の温度は昼側で約430度,夜側ではマイナス約180度というたいへん温度差の激しい世界である.水星の重力は地球の約3分の1であるが,その表面には地殻から放出されたと考えられるナトリウムやカリウムを含む極少量のガスの大気が存在している.

公転周期約88日
自転周期58.65日
会合周期115.9日
軌道平均速度47.36km/s
太陽からの最小距離0.460×108km
太陽からの最大距離0.698×108km
軌道長半径0.3871天文単位
約5791万km
離心率0.2056
軌道傾斜角7.005度
近日点黄経 注)77.452度
昇交点黄経 注)48.334度
太陽より受ける輻射量地球の6.67倍
反射能0.06
極大光度マイナス2.4等
地球から平均の最近距離での
視半径
5.49"
赤道半径2440km
扁率0
赤道における重力地球の0.38倍
体積地球の0.056倍
衛星数0
質量地球の0.0552倍
密度5.43g/cm3
赤道傾斜角〜0度
脱出速度4.25km/s
作用圏半径0.11×106km

注)昇交点黄経・近日点黄経は,1997年央の値をJ2000年分点に準拠して表したもの

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参考文献

使用した数値は一部を除いて国立天文台編「理科年表」平成9年版(丸善)による.