惑星 Planet

惑星は「惑う星」ということでその名がある.惑わない(形を変えない)星座の星である恒星に対して,水星金星火星木星土星は,星座の中を動いていく星なので「惑星」という名が付けられた.

これらの惑星の動き方は,視点になる地球も太陽の周りを運行しているために複雑なものになり,外惑星では時に留まったり逆行したりして,古代から中世までの天文学者達を悩ませることになった.現在のような,地球を含むすべての惑星が太陽の周りを巡る太陽系観が確立したのは,科学史上で「コペルニクス的転回」が行われて以降のことである.ニュートンが1687年にその著書「プリンキピア(自然哲学の数学的諸原理)」の中で重力による軌道運動を解明してからは,惑星をはじめ小惑星や衛星なども含めて,太陽系天体の軌道は正確に計算できるようになった.

望遠鏡の発明以前には,惑星とは肉眼でも見える水星金星火星木星土星の5つだけを意味していたが,望遠鏡が発明されると肉眼では見えない天王星,海王星,冥王星が順次発見されて,太陽系を構成している惑星は次の9つとされ、他に火星木星の軌道の間に分布している小惑星があるだけと考えられてきた.しかし近年のカイパーベルト天体の発見で,海王星の外部領域にも小さな惑星状の天体が多数あるらしいことが判明し,太陽系観は大きく変わった.そこで,2006年8月の国際天文学連合の総会において,惑星の定義が新たに定められた.それによると,惑星とは,(a) 太陽の周りをまわり,(b) 十分大きな質量を持つために自己重力が固体としての力よりも勝る結果,重力平衡形状(ほぼ球状)を持ち,(c) その軌道の周囲から(衛星を除く)他の天体を排除した天体である.これにより,冥王星は惑星ではなく,準惑星に分類し直され,惑星の数は8個となった.

各惑星の詳細
 水星
 金星
 地球
 火星
 木星
 土星
 天王星(1781年,ハーシェル発見)
 海王星(1846年,ルベリェ, アダムスガレ発見)

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