■ 人名辞典【あ】 ページ  - -

アインシュタイン Einstein,Albert (1879-1955)

ドイツのウルム生まれ.ユダヤ系アメリカ人物理学者.特殊および一般相対性理論の確立により,宇宙観を根底から変える研究業績をあげる.1921年に,“理論物理学の諸研究とくに光電効果の法則の発見”でノーベル物理学賞受賞.

チューリヒの工科大学を卒業し,1902年スイスのベルンの特許局技師となる.1905年に“特殊相対性理論”発表.1909年からチューリヒ大,プラハ大の教授をへて,ライデン大に1928年までつとめる.1914〜1916年に“一般相対性理論”を発表.1929年に“統一場の理論”を発表.1933年アメリカに移住し,プリンストン大高等研究所の研究員となり,同所にて没.晩年は核兵器廃絶のために尽力した.

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中山茂編「天文学人名辞典」恒星社


アウトリュコス Autolycos (BC300頃)

アイオリス地方出身のギリシャの天文学者.エウドクソスが提唱した同心天球説にもとづいて天文学を論じた.著書「運動する天体について」「出没について」はアレクサンドリアの学校で使われ,後にアラビア語,ラテン語に訳された.

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中山茂編「天文学人名辞典」恒星社


アウヴェルス Auwers,Arthur Julius Georg Friedrich von (1838-1915)

ドイツの天文学者.ゲッチンゲンで生まれ,ゲッチンゲン大,ケーニヒスベルク大で学び,1915年ゴータ天文台に勤める.金星日面通過を観測し,年周視差にとりくみ,1866年ベルリンアカデミーの天文学者となる.FK3,FK4等の星表づくりに活躍した.

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中山茂編「天文学人名辞典」恒星社


麻田剛立 Asada,Goryu (1734ー1799)

江戸時代中期の市井の天文暦学者.九州杵築藩の藩医,綾部妥彰であったが,天文暦学を志し脱藩,大坂で改名,先事館を創設し,天文暦学を教えた.剛立の天文暦学は実際の天文現象や観測を基にした天文暦学で,宝暦13年に暦に記載されない日食があることを指摘するなど名声は高まり,高橋至時間重富,西村太冲,坂正永,足立信頭等多くの弟子を育てた.暦学では天文定数は年により変化するという消長法を唱えた.寛政年間に江戸幕府から暦学御用があったが自分では行かず,弟子を推薦した.著作は弟子が伝えるものしかないが,「実験録」,「持中法」等がある.詳細は渡辺敏夫著「麻田剛立」に詳しい.

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アダムズ. Adams,John Couch (1819‐1892)

イギリスの天文学者.コーンウォルのランドイーストに生まれた.ケンブリッジ大卒業後,聖アンドルーズ大学で1859年まで数学教授をしたが,ケンブリッジ大の天文学と地学の教授となる.1845年に天王星の運動から新惑星(海王星)の位置を予言した論文をグリニッジ天文台に出すが,認められなかったため,海王星発見は1846年にルヴェリエ(予報)とガレ(発見)に先をこされた.ルヴェリエとはJ.ハーシェルを仲介して会い,意気投合したと言われる.1848年王立協会のコプリ・メダルを受賞,翌年,王立協会のフェローに選ばれる.月の研究によって王立天文学会のゴールド・メダルを受賞.ケンブリッジ天文台の台長となるが,謙虚な性格からナイト爵位を辞退し,王室天文官の地位も断わった.1851年にはケンブリッジ大にアダムズ賞がもうけられた.1877年には,ベルヌイ数を多数見い出している.

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中山茂編「天文学人名辞典」恒星社


アダムズ. Adams,Walter Sydney (1876‐1956)

アメリカの天体物理学者.シリアのアンティオケに生まれた.地球から恒星までの距離を絶対等級の比較により測定する方法を考案した.
マサチューセッツのダートマスカレッジ卒業後,シカゴ大の大学院に進む.G.E.ヘールを手伝って,パサデナにウィルソン山天文台を設立.1913〜23年,副台長をつとめ,その後台長となる.1931年,アメリカ天文学会の会長に選ばれる.B型星の視線速度,恒星の運動等の研究がある.また,巨星と矮星のスペクトルの違いを研究し,白色矮星を確認した.

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アトキンソン Atkinson,Robert D'escourt (1898‐  )

ウェールズのライアダーに生まれた.オックスフォード大学,ドイツのゲッティンゲン大で学ぶ.1922年オックスフォード大クラレンドン研究所,1928年ベルリンの工科大学の助手をつとめる.ニュージャージーのラトガース大学で助教授,後天文学付属教授.王立委員会賞,王立天文学会のエディントン・メダルを受賞.

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アナクサゴラス Anaxagoras (BC500-428)

ギリシャの哲学者.小アジアのクラゾメナイの出身.小アジアのランプサコスにて没.日食の正しい説明をした.天体の距離を,月,太陽,惑星,恒星の順で近いとした.万物はアトムによってできていると考えていた.太陽は真っ赤に焼けた鉄の塊で惑星も恒星も土の塊と説明した.惑星を神としていたギリシャ人の怒りをかい,追放された.

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中山茂編「天文学人名辞典」恒星社


アナクシマンドロス Anaximandros (BC610-546)

ギリシャの哲学者.進化論の先駆として注目される.タレスの弟子で,メソポタミアやエジプトの文化をギリシャに導入した.彼の考えた宇宙は,大地は円盤状の板で,まわりを空気が球形にとりかこみ,周囲を太陽と惑星,恒星がまわるとした.半球ではない全球の宇宙を世界で初めて記述した.ただ最も近いものが恒星だとしている.

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中山茂編「天文学人名辞典」恒星社


アナクシメネス Anaximenes (BC585-525)

ギリシャの哲学者.小アジアのミレトス出身.万物の根元は“空気”であり,それが濃くなったり薄くなったりして変化することによって,全てのものが生じると考えた.また,惑星恒星を区別した最初のギリシャ人だと伝えられている.

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中山茂編「天文学人名辞典」恒星社


アピアヌス Apianus, PetrusPeter Apian (1495-1552)

本名はBienewitz.ドイツの数学者.1534年ヨーロッパ全図を初めて出版し,四分儀,天球儀の設計を行なった.1540年「天文学書」を出版,中で彗星の尾が太陽と反対に向いているなど,科学的観測結果を記述している.

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中山茂編「天文学人名辞典」恒星社


アブニー Abney,William de wivelestie (1843-1920)

イギリスの写真家,天文学者.1882年スペクトル写真でランフォード・メダルを受賞.赤色に感度のよい乳剤を工夫した.1877年にスペクトルの幅から高速自転星を発見する方法を提案した.1882年有機分子のスペクトル分析.1887年に赤外領域での太陽スペクトル写真に初めて成功した.また,ハイドロキノンの写真現像作用の発見者としても知られる.

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中山茂編「天文学人名辞典」恒星社


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