■ 人名辞典【あ】 ページ  - -

アブー・マアシャル Abu Mashar (787-886)

アラビア(ペルシャ系)の天文学者.中央アジアのバルフ出身.ヨッロッパではアルブマサル(Alubumasar)という名で知られ,代表的な占星術者として盛んに引用された.主著は「占星術入門大著作」.この書は12世紀にラテン語に訳され,コペルニクスの時代にドイツとイタリアで出版されている.

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中山茂編「天文学人名辞典」恒星社


アブル・ワファー Abu al Wafa’ (940-997/8)

アラビア(ペルシャ系)の天文学・数学者.イランのブーズジャーン出身.三角法の扱いに優れ,天文学の著作のうち,今日残っているのは,「アルマゲスト」(別名「完全な書」).プトレマイオスの「アルマゲスト」のアラビア語翻訳,研究書.

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中山茂編「天文学人名辞典」恒星社


アボット Abbot, Charles Greeley (1872-1973)

アメリカの天体物理学者.ニューハンプシャー州で生まれ,マサチューセッツ工科大学,メルボルン大を卒業.1895年にスミソニアン天体物理研究所に勤めはじめ,後に同天文台長となる.太陽放射の精密測定に取りくむ一方,太陽エネルギーの実用化にも関心を持ち,太陽コンロ,ソーラーハウスを考案した.

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中山茂編「天文学人名辞典」恒星社


アポロニウス Apollonius (B.C.250〜220ころ)

ギリシャの数学者.トルコ南部のペルゲ生まれ.ユークリッドの伝統にしたがって教育をうけ,円錐曲線について8冊の論文を書いた.後に,ケプラーの時代になって,この円錐曲線は,天体軌道を記述するものとして重用されることになる.

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中山茂編「天文学人名辞典」恒星社


アープ Arp,Halton Christian (1927‐  )

ニューヨークに生まれた.ハーバード大学,カリフォルニア工科大学で学ぶ.1953年,ウィルソン山とパロマ山天文台のカーネギー・フェローとなる.インディアナ大学,ウィルソン山パロマ山天文台の助手をつとめる.1956年ワシントンのカーネギー研究所とカリフォルニア工科大学の天文学者となり,1969年カリフォルニアのヘール天文台に勤務.アメリカ科学財団の客員教授.

銀河の研究で知られ,特にクェーサーと銀河との相互作用の観測が有名である.また,特異銀河のカタログであるアープ・カタログの編纂でも名高い.

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中山茂編「天文学人名辞典」恒星社


アッベ Abbe,Ernst (1840-1905)

ドイツの物理学者.1881年に化学者O.ショットと共同して精密な光学ガラスを製造し,1886年にはアポクロマートレンズを発明した.放射光学と波動光学の研究者でもある.

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中山茂編「天文学人名辞典」恒星社


アミー Hamy,Maurice Theodore Adolphe (1861-1936)

フランスの天文学,天体力学,光学者.干渉計を使って,恒星,惑星,小惑星ベスタの直径の測定を行った.子午線観測の定数決定の改良法研究.対物プリズムによる視線速度の測定法を開発.天体力学面では惑星軌道の摂動研究.

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中山茂編「天文学人名辞典」恒星社


アラゴー Arago,D.F.J. (1786-1853)

フランスの物理,天文学者.エコール・ポリテクニクを卒業後,経度測定委員になり,同校の幾何の教授となる.光学,電磁気学で知られる.1811年に“偏光”を発見し,偏光スコープの発明.大気の青さを測るシアノメーターや光量計を考案.また星のまたたきを説明した.著作は「天文学通俗講義」「科学者評伝」など.

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アラトス Aratos (BC310-240)

ギリシャの詩人・学者.小アジア・キリア地方のソロイ(ソリ)出身.天文や気象の知識をまとめた「ファイノメナ」という長詩が残っているが,多数の星座の記述が初めて登場する書物として重要である.ファイノメナはエウドクソスの著作が元になっている.

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アリスタルコス Aristarchos of Samos (前320頃‐230頃)

古代ギリシャの天文学者.鋭い着眼点に基づき,数々の独創的な研究をしている.小アジアのサモス島生まれ.コペルニクスの体系が一般に受け入れられる1800年も前に,太陽中心の宇宙を提唱した.この説は,アルキメデスが著書「太陽と月の大きさと距離について」の中で言及している.アレクサンドリアでストラトンのもとで学んだとされる.B.C.280ごろ,日時計を使って夏至の日を正確に測定した.半月時の月の形から太陽は月より20倍遠いと計算した.さらに月食時の地球の影の大きさから,月の大きさを地球の1/3と測定した.上記の結果と月と太陽の見かけの大きさが等しいことから,太陽の大きさは地球の7倍と導くことができる.太陽中心説は彼の元では論理的な結論だったといえる.

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アリストテレス Aristoteles (前387‐322)

ギリシャの天文・数学・哲学者.マケドニアの港町であるスタゲイラに生まれた.各惑星の属する天球が順番に層をなしている天動説を唱え,月より下の世界が土・水・空気・火の4元素からなり,月より上は完全な世界で第5元素エーテルでできているとした.また,それまでの哲学者は,思考モデルとして天球を考えていたが,アリストテレスは,実際にあるものとして天球を考えた.また物体は重いものほどその正しい位置に戻る性質が強いと考えた.したがって,軽いものよりも重いものの方が落下速度が速いとした.後にガリレイの実験で否定されるまでこの考えは支持されていた.
若いうちに父を亡くし,後見人は彼をアテネに送り,プラトンのアカデメイアで学ばせた.しかし,プラトンの死とアテネでの排斥運動とが重なり,彼はアテネを離れ,342年,マケドニアに招かれて後にアレクサンドロス大王となる皇太子の家庭教師となった.アレクサンドロスが王になるとアリストテレスはアテネに戻り,学校リュケイオンを設立して,自然哲学の講義をし,一説には400ともいわれる著書を表した.現在でも50冊あまりが真偽のほどは別として残っている.

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アル=アストゥルラービー al-Astrurlabi (9世紀前半)

アラビア初期の天文学者.アストロラーベなどの天文器具の製作者として有名.

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アルヴェーン Alfven Hannes O.G. (1908- )

スウェーデンのプラズマ物理学者.アルヴェーン波と呼ばれる電磁流体波を発見.太陽系の起源を,太陽が暗黒星雲のそばを通過したとき一部を捕獲し地球型惑星となり,その後にガス雲のそばを通った時に,ガスを捕獲し木星型惑星となったとした.

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