■ 人名辞典【ゆ】 ページ 

湯川秀樹 Yukawa,Hideki (1907-1981)

東京生まれの物理学者.1949年に「核力の理論による中間子存在の予言」で日本人では初のノーベル物理学賞受賞.

京都大学で物理学を学び,1929年卒業.1933年に大阪大学の講師となり,1934年に素粒子の相互作用の理論(中間子論)を発表する.この理論は1935年に完成した.1948年〜1953年までアメリカに滞在.その間,1949年に日本人としては初めてのノーベル物理学賞を受賞する.このさい受賞対象となった中間子存在の予言は1947年にパウエルらによってπ中間子の発見という形で成就される.核戦争危機が叫ばれる中,朝永振一郎らとともに平和運動にも力を入れ,ラッセル・アインシュタイン宣言の賛同者となりパグウォッシュ会議に協力した.なお,京都大学の基礎物理学研究所(基研)は湯川の業績を記念して設置されたものである.

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参考文献

松平升他著「理工教養物理学II改訂版」培風館


ユークリッド Euclid (B.C.300?-B.C.260?)

古代ギリシャの数学者.著書「原論」において,ユークリッド幾何学といわれる数学の体系を確立した.アレクサンドリアのアカデミーの創始者であり,プラトンの弟子ともいわれる.「幾何学に王道なし」の言葉も有名.

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参考文献

科学者人名事典編集委員会「科学者人名事典」丸善


ユリウス Julius, Willem Henri (1860-1925)

オランダの太陽物理学者.ラジオメーターを自作して,赤外放射を研究.プロミネンスを非一様な屈折で説明し,また黒点の暗さを正常屈折によって説明.

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参考文献

中山茂編「天文学人名辞典」恒星社


イブン=ユーヌス Ibn Yunus, Abu al-Hasan ( ? -1009)

回教圏で最大の天文学者.エジプト人.食や合の観測,重要な天文定数,アルマムン表の解説「ハケム表」は,月の永年加速の決定に利用される.最大の天球儀製作者.

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参考文献

中山茂編「天文学人名辞典」恒星社


ユーリー Urey,Harold Clayton (1893-1981)

アメリカの化学者.重水素の発見により1934年にノーベル化学賞受賞.

モンタナ大学,カリフォルニア工科大学で学んだ後,1923年にコペンハーゲンに渡り,1924年にはアメリカに帰国してジョンズ・ホプキンス大学に勤める.1934年にコロンビア大学,1945年にシカゴ大学,1958年にカリフォルニア大学に移った.

彼の研究で有名なのは,ノーベル賞をとることにもなった重水素の発見であるが,原爆開発のマンハッタン計画では,重水素の大量生産法を開発している.ほかにも,同位元素の知識を活用して海洋の温度変化の歴史を探究.地球や宇宙の化学組成の研究者として高名.シカゴ大学時代に弟子のミラーとともに,原始地球大気中での放電実験で有機物が発生することを示した(ミラーの実験).

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参考文献

中山茂編「天文学人名辞典」恒星社
科学者人名事典編集委員会「科学者人名事典」丸善


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