プロミネンス

コロナ中に浮かぶ約10000度のガスの雲.水素Hα線では,太陽のへりから突き出たように見られる.プロミネンスはこのように背景が暗い場合,明るい構造として見え,太陽面にかかると逆に暗く見える(ダークフィラメント).

プロミネンスには静穏型プロミネンスと活動型プロミネンスに大別される.静穏型プロミネンスはあまり形や大きさが変化せず,寿命も長いものでは3ヶ月にもわたって見られることもある.高さは1万kmから5万km,長さは5万kmから15万kmにもおよぶことがある.活動型プロミネンスは黒点の周辺で見られる.規模は静穏型に比べて小さく,フレア等の活動に伴ってわずか数分で飛び散る場合もある.

プロミネンスは200万度のコロナの中に存在するが,蒸発してしまわないのはプロミネンスの物理状態が,入ってくる熱と出ていく熱がうまくバランスする条件になっているためである.また,プロミネンスの密度はコロナの約100倍もあるが,浮かんでいられるのは磁場がハンモックのようにガスを支えているためである.

プロミネンスのガスがどこから供給されているかであるが,サイフォンのように光球からガスが吸い上げられる場合や,コロナのガスが凝縮して形成される場合などがある.

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