うるう秒 a leap second

原子時計によって決められる国際原子時と,地球の自転との調整のために足したり引いたりする1秒間.1972年から採用された.

NHKやNTTの時報は,協定世界時を基準にして報じられる.この協定世界時は,極めて規則正しく動く原子時計によって定められている.ところが,地球の自転は,大気や海洋の摩擦などでふらふらしており,放っておくと,長い間には,原子時計が定める協定世界時の正午が,実際には日没前ということになりえる.
そこで,地球の自転による世界時と原子時計による国際原子時をかみあわせるために,協定世界時に1秒を差しはさんだり,差しひいたりして調整(ステップ調整)を行う.これをうるう秒という.
うるう秒の調整は,パリにある国際地球回転観測事業(IERS)が行っており電波で通報することになっている.調整は,1月1日もしくは7月1日(さらに必要なら4月1日か9月1日)の協定世界時0時の前,すなわち前日の23時59分59秒の後に,59分60秒をうるう秒として挿入することで行われるが,実際は基準時計を100秒前から,1秒間を100分の1秒間ずつ増やして行う.すなわち,23時58分20秒から100秒間が毎秒1.01秒になり,0時ちょうどにうるう秒の調整を完了する.うるう秒を引く場合はこの逆となるはずだが,行われたことはない.

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参考文献

理科年表1992年版,丸善
織田一郎,1994年,時計の針はなぜ右回りなのか,草思社