超新星の初めての科学的観測 First Scientific Observation of Supernova

1572年11月,ティコ・ブラーエカシオペヤ座にこれまでに見えなかった新しい星を見つけた.これは2・3日目に他の人たちも気づいていた.その後,ティコは観測を続け,1ケ月後に木星位の明るさに達し,1572年春には1等星程度,1573年の春には5等星,1574年に見えなくなるまで観測を続けた.当時,恒星界は不変であるというアリストテレスの説が信じられていたが,ティコはこの星が恒星に対し,位置を変えなかったので,恒星の世界で起きたできごとであることを証明した.これは銀河系内に現れたタイプIの超新星であった.これは「ティコの星」と呼ばれた.そして,1604年にもへびつかい座に同じくタイプIの超新星が現れ,ケプラーが熱心に観測した.このころから,アリストテレスの説に疑問を抱く時代に突入した.

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参考文献

ダンネマン,大自然科学史4,1978,三省堂