ドイツのアマチュア天文家シューヴァーベSchwabeは水星 よりも内側に惑星があるとすると,太陽面を通過するので,発見できるのではないかと考え,1826年から太陽面を観察し続けた.しかし,その目的は達することができなかったが,太陽黒点が多くなったり,少なくなったりすることに気づいた. 実際,1828年の極大,1833年の極小,1837年の極大を観測した後,1843年の極小を捉えたので,黒点数は10年の周期で変化することを発表した.しかし,当初この発見は無視されたが,1851年に探検家のフンボルトが「宇宙」という本で紹介してからは,彼の発見が認められた.
シューヴァーベの活躍した19世紀は観測技術の進歩の著しい頃で,その中でアマチュア天文家の大発見は特筆に値する.なお,活動周期は現在は11年と考えられている.
参考文献:斉田博「おはなし天文学1」地人書館,1973