イタリアのセッキは数千個の恒星について,色やスペクトルの特徴を統計的に調べ,1868年,以下の4つの型に分類した.
1. シリウス,ベガ,アルタイル,カストルなどの白色星 ほぼ一様な連続スペクトルを示し,暗線はごくわずかである.
2. カペラ,ポルックス,アークトゥルスなどの黄色星 太陽とよく似たスペクトルで,細かい暗線が多数ある.
3. ベテルギウス,アンタレス,ミラのような赤色星 強い暗線が何本も見られる.
4. 赤色のものだが,明るい星にはない. 暗い帯状スペクトルを示す.
この分類はその後,ハーバード大学でピッカリングとキャノンらにより行われた,恒星のスペクトルによる系統分類研究とHD星表を生むきっかけとなった.
桜井邦朋「天文学史」朝倉書店,1990