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石塔は特別の祭祀を記念して建てられたものである.大きな自然石を石塔型に整形し,その表面に文字や絵を刻んだ.山の神,田の神,道祖神などの神仏名,庚申,甲子,巳待,十九夜,二十三夜などの祭日名,日待月待念仏など祭りの仕方に因むものなど内容は極めて多彩である.中には日食供養塔もある. 建立の動機は様々であるが,講仲間によるものが多く,庶民が費用をお互いに出し合いながら建立したものと思われる.多くは礼拝の対象とされ,石塔の前で講を行うこともある.月待塔は月待ちと関係があると言われている.月待塔には,月や太陽の絵とともに,それぞれの本尊である虚空蔵菩薩や如意輪観音,二十三夜待の勢至菩薩等が彫られていることが多いようである. 石塔は一般に山麓,丘,村はずれや町はずれに建立されることが多く,そこから境界意識が伺われる. 参考文献
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