流星 meteor,shooting star

流れ星.地球外からの物質が,地球に衝突するさいに大気との摩擦によって破砕されて発光する天体あるいは現象.特に明るい流星を火球という.流星の一部は隕石となって地上に落下するが,発光しないで落下する隕石もあり,すべての隕石が流星であるとは限らない.また,ときに多くの流星が天空の一点から放射状に流れる現象があり流星群と呼ばれる.流星観察法のページも参照のこと.

流星になる物質(流星物質)のほとんど(99%以上)は太陽を周回する微細な粒子である.目で見える流星物質の直径はミリメートル単位で,質量はマイクログラム単位である.
流星物質が地球大気に突入する速度は秒速11〜72kmであり,発光している時間はほとんど1秒間以内である.流星の発光は,大気との摩擦によって流星物質が蒸発して電離したガスがエネルギーを失うさいに起こる.流星のほとんどは高度80〜120kmくらいの上層大気で発光し,蒸発してしまう.一部の流星は本体も加熱によって発光し,その痕跡がしばらく残ることがある.これを流星痕と呼ぶ.
目で容易に見える流星はいつでも1時間に5〜10個程度はあるが,都会など周囲が明るい場所では,明るい流星しか見えないため数は減る.目で捕らえられない暗い流星も含めれば,常時流星現象は起こっている.
毎年決まった時期に,複数の流星が1点から放射状に飛び出すように見えることがあるが,これを流星群と呼んでいる.流星群は彗星が撒き散らした物質が集団で地球に衝突してくるものである.ときに1時間に数10個,ごくまれには数1000個以上の流星が見られることがある.多数の流星が見られる流星群を流星雨,あるいは流星嵐と呼ばれる.

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参考文献

長沢工,1997年,「流星と流星群」,地人書館,ISBN4-8052-0543-1