旧暦

昔使っていた暦制度のこと,一般には明治5年まで使用されていたものをいう.また,その計算方法を使って作られた暦を旧暦ということもある.

現在,日本国で使用している暦はグレゴリオ暦であるが,明治5年までは江戸時代に作られた天保暦を使っていた.これを一般に旧暦といっている.体系としては太陰太陽暦である.対して現在使用している暦を現行暦あるいは新暦ということもある.

現在は,「正式な旧暦」は存在しない.いわゆる神宮暦や農事暦などに記されている「現在の旧暦」は,天保暦の計算方法を参考にして独自に計算されたものである.しかし,これらは,近代的な天体力学の成果を利用しているために天保暦とは精度などが違ったり,基準の子午線が天保暦では京都であるのに対して,明石であったりと違う.

そのために「現在の旧暦」は厳密には天保暦とも違う.実際,現在の計算方法を過去に延長すると天保暦とずれることがある.また,中国や台湾などで戸籍などに利用されている暦は,「現在の旧暦」とは時差の関係で微妙に違うので換算には注意が必要である.

旧暦に関連することとして,大安などの六曜うるう月などがある.また,お月見は旧暦の8月15日の行事である.

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参考文献

「新こよみ便利帳」暦計算研究会,恒星社厚生閣
こよみハンドブック1994-1996,大阪市立科学館