日本の暦の歴史
世界のこよみ

・年初:冬至の頃の新月

・暦法:太陰暦〜太陰太陽暦

日本の現行暦は,グレゴリオ暦であるが,以下のような歴史をたどって現在に至っている.ここでは,逆順年表とした.

年代元号事項
1988昭和63東京天文台を国立天文台に改組,編暦担当も移行
1898明治31うるう年の入れ方もグレゴリオ暦
1888明治21東京天文台で編暦の仕事を開始.
1873明治6グレゴリオ暦がこの年から使用され,明治5年12月2日が明治6年1月1日になった.(ただし,うるう年の入れ方は,ユリウス暦).
1870明治3明治政府が天文暦道局をつくり,頒暦を行なう.
1868明治1暦の編纂権が土御門(つちみかど)家にうつる.天文方解散.
1844弘化1「天保壬寅暦」使用開始.本格的な太陰太陽暦である.天保暦と呼ばれ,現在でもいわゆる旧暦の計算の基本となっている.
1797寛政10「寛政戊午暦」刊行.以降,幕府天文方に編纂作業が戻る.
1755宝暦5「宝暦甲戌元暦(ほうりゃくこうきげんれき)」使用開始.これは土御門家が作った暦で中国の元の授時暦をそのまま採用した.
1685貞享元「貞享暦」使用開始.渋川春海の編纂した大和暦が採用された.初の日本産暦で,初めて日本むけの時差が加えられ,1年=365.2417とした.幕府天文方が暦計算を行い,それに土御門家が暦注などを加えて頒暦を行なうようになる.
江戸初期
室町時代からあった三島暦が広まる.伊豆,三島神社で最初に発行された.他にも会津暦など地方暦が流布.(内容は「宣明暦経」を使って,独自に作った宣明暦)
室町時代
暦編纂を独占していた賀茂家がとだえ,陰陽博士土御門家(元安倍家)がそれもかねることになった.
鎌倉時代
印刷された暦が登場.それまでは1つづつ書き写した.
10-11世紀
暦博士職を独占していた賀茂家が,貴族などに頒暦をしていた.民間にはその複製が出回った.
861平安4?「宣明暦」使用開始
857天安元「五紀暦」使用開始.しかし単独使用はされず.
764天平8「大衍暦」使用開始.中央で作成され,東北もふくむ地方の役所に配布された.
697文武元元嘉暦にかわり,「儀鳳暦」を使用開始.
604推古12平安時代の文献によると,最初に暦が使われた年.しかし実際は中国の「元嘉暦」が既に使用されていた.

室町時代までは中国の暦をほぼそのまま採用している.

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