■ 人名辞典【お】 ページ 

オイラー Euler, Leonhard (1707-1783)

スイスの数学者.整数論,幾何学,解析学などで有名.天文学への寄与としては,力学の3体問題の研究があり,それを月の運動に適用して1753年に月運動論の論文を表している.オイラーは月の運動について航海の実用に十分な程度の近似解法を発見した.

スイスのバーゼル大学で学び,1727年ロシアのサンクトペテルブルグのアカデミーに加わった.1733年には数学部門長になるが,1740年にドイツのベルリンアカデミーに移る.1766年には再びロシアにもどった.ロシア滞在中に太陽を肉眼で観察して右目を失明した.

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参考文献

「科学者人名辞典」丸善


オポルツァー Oppolzer,Theodor Egon Ritter von (1841‐1886)

オーストリアの天文,測地学者.プラハに生まれる.ウィーンで医学の学位を取得.1866年ウィーン大学の天文学講師となり,1875年にはオーストリア測地調査所長,1875年にはウィーンで測地学と天文学の教授となる.1886年に国際測地協会の会長に就任.著作「彗星と惑星の軌道決定法」は長く利用され,また,B.C.1207〜A.D.2163までの日食を計算した日食宝典はたいへん有名である.

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参考文献

中山茂編「天文学人名辞典」恒星社


オールト Oort,Jan Hendrik (1900‐199?)

オランダの天文学者.太陽系をかこむ彗星の巣オールトの雲は有名だが,オールトの本当の業績は銀河の構造,回転の研究と,電波天文学である.オランダのラネーケルに生まれ,フロニンゲン大学卒業.フロニンゲンからPh.Dを取得.イエール大学で研究するためにアメリカに渡り,オランダのライデン大学の職員になるために帰国.1935年に天文教授となる.10年後,ライデン天文台の台長となり,1970年に引退.

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参考文献

中山茂編「天文学人名辞典」恒星社


オルバース Olbers,Heinrich Wilhelm Matthaus (1758‐1840)

ブレーメンの近くに生まれた.1777年,医学を学ぶためにゲッチンゲンに行き,1781年に医学の学位を取得.医療の仕事に就いていた.天文学は趣味であったが,ゲッチンゲンに私設の天文台をたて,天体観測にはげんでいた.ピアッチィが発見し,そのあと行方不明になっていた初の小惑星ケレスを,1801年12月31日に再発見した.1802年には2番目の小惑星パラスを発見した.オルバースのパラドックスは,星が無数に遠方まで存在するとすると,なぜ夜空が暗くなるかというもので,19世紀前半に示唆した.

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参考文献

中山茂編「天文学人名辞典」恒星社


オングストローム Angstrom (1814-1874)

スウェーデンの天文学者.ウプサラ大学に学び,その後同大学で教鞭をとり生涯を過ごした.キルヒホッフに先駆け,スペクトル線の吸収と放射についての知見を得ていた.キルヒホッフが分光学を確立した後,ただちにそれを天体に応用,太陽のスペクトルを研究し,成果を1868年に発表した.この中で,太陽大気中に水素があることを報告している.また,太陽スペクトルの詳細な図を作成し,それぞれのスペクトル線の位置を10-8cmまで算出した.これにちなんで10-8cmのことをÅ(オングストローム)と呼んでいる.

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参考文献

中山茂編「天文学人名辞典」恒星社


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