■ 人名辞典【か】 ページ  -

カイザー Kaiser, Frederik (1808−1872)

オランダの天文学者.1826年にライデン天文台に入る.1831年ライデン大学を卒業.1837年天文学講師兼天文台長となり,1840年教授.1861−1862年新天文台を国の支援で作り,基本星の位置測定を行う.1864年からヨーロッパ三角点事業のオランダ代表を務める.また,オランダ領東インドの位置決定に参加し,海岸航海装置監督官も務めた.


カイパー Kuiper, Gerald Peter (1905−1973)

オランダ生まれ.1927年,ライデン大学卒業,同大助手.1933年アメリカに移住し,同年リック天文台に所属したのち1936年からヤーキス天文台に勤務.1947年から49年にわたりヤーキス天文台長,1957年から60年にはマクドナルド天文台長を務める.その後アリゾナの月・惑星研究所長を務める.1948年に天王星の5番目の衛星“ミランダ”を発見,1949年に海王星の2番目の衛星“ネレイド”を発見した.


ガイヨー Gaiuot, Aimamble Jean-Baptiste (生没年未詳)

フランスの天文学者,天体力学者.1861年からパリ天文台計算局に勤務,1873年同局長に就任,翌年主任天文官,1897年パリ天文台副台長に任ぜられる.1837−81年のパリ天文台における子午線観測をまとめた.


ガウス Gauss, Karl Friedrich (1777−1855)

ドイツの数学者.1798年ゲッティンゲン大学を卒業.1799年理学博士号を取得.1801年,ピアッツィが発見した新天体(のちの小惑星第1番“ケレス”)の短期間の観測から,これが火星・木星間の軌道をもつことを決定し,翌年オルバース発見の新天体(のちの小惑星第2番“パラス”)の軌道も決定した.1807年ゲッティンゲン大学教授・同天文台長.


カークウッド Kirkwood, Daniel (1814−1895)

アメリカの天文学者.1851−56年,デラウエア・カレッジの数学教授となる.その後,インディアナ大学の数学教授を務める.1886年カリフォルニアに移り,スタンフォード大学で天文学を教える.小惑星の太陽からの距離分布に見られるギャップを発見し,これを木星の摂動によるものと説明.


アル=カズウィーニー al-Qazwini, (1203頃−1283)

アラビアの学者.「宇宙誌」および地理の書物を著した.「宇宙誌」では,アラビアの古い伝承や,当時の一般の人が抱いていた宇宙観をうかがうことができる.イラクで裁判官を務めた.


ガスコイン Gascoigne, William (1612−1644)

イギリスの光学機械製造業者.望遠鏡の改良を行うが,1644年戦死.


カセグレン Cassegrain Jacques (1625−1712)

フランスの医者・天文学者.シャルトル大学の教授.ニュートンの4年後の1672年に反射望遠鏡(カセグレン式望遠鏡)を発明.大型の望遠鏡によく用いられる.ほかにメガフォンの研究など.どのような人物だったか詳細は不明.

参考文献

Mitton「Dictionary of Astronomy」THE PENGUIN BOOK


ガッサンディ Gassendi Gassend, Pierre (1592−1655)

フランスの物理学者,天文学者,博物学者.1613−23年シャンターシエで神学・哲学を教える.1645年パリの王立大学教授(数学・天文学).1631年ケプラーの予言に基づいて水星の日面経過を観測.1653年『哲学大系』の第3版を出版.


カッシニ(1世) Cassini, Giovanni-Domenico (1625−1712)

イタリア・フランスの天文学者.1650年からボローニャの大学天文学教授.法王庁のために技術上の仕事にも参加.1669年フランス科学アカデミーの招きでパリ天文台へ移り,実質上の天文台長.1665年木星の自転周期を算出,1668年木星の4衛星の運行表を作る.1675年土星の環のカッシニ空隙を発見.他,土星の衛星4つを発見し,火星を用いて太陽視差を9.5秒と算出.子午線の長さを測り,地球縦長説を支持.


カッシニ(2世) Cassini, Jacques (1677−1756)

フランスの天文学者,測地学者,カッシニ1世の息子.1710年パリ天文台の指導者となり,1712年科学アカデミーでの父の地位を継承する.1718年パリからダンケルクの子午線測定を行いその結果からデカルト的立場を支持.1732−1734年サン・モロからストラスブールまでの緯線を測定する.また1738年恒星の固有運動を近代のデータから決定した.


カッシニ・ド・テュリ(カッシニ3世) Cassini de Thuri, Cesar-Francois (1714−1784)

フランスの測地学者,天文学者.カッシニ2世の子.1733−36年測地事業を行い父の地球縦長説を支持しようとしたが,1737年までに見解を変える.1771年にパリ天文台長.1733−40年の測地観測をもとに新しい地図づくりを行い,息子のカッシニ4世が完成させた.


カッシニ(4世) Cassini, Jean-Dominique (1748−1845)

フランスの天文学者,測地学者.カッシニ3世の息子で,1771年からパリ天文台の仕事に参加.1784年同天文台長.フランス地図を完成させる.1787年パリとグリニジ子午線を結ぶ測地に参加.1791年科学アカデミーによる新度量衡系作りを手伝う.


カーティス Curtis, Heber Doust (1872−1942)

アメリカの天文学者.1894年ナパ・カレッジでラテン語教授.1896年数学,天文学教授となる.1902年に博士号を取得し,リック天文台のスタッフとなる.1910年から星雲写真に取り組み,シャプレーとの論争で,島宇宙説への反対論を覆すことに貢献.1920年ピッツバーグ大学アレゲニー天文台長,1930年からミシガン大学天文台長を務めた.


カーティス Curtiss, Ralph Hamilton (1880−1929)

アメリカの天文学者.分光学的観測の分野で業績を残す.1907年ミシガン大学の助教授,1918年教授.1927年ミシガン大学デトロイト天文台の所長に就任する.


<<< 前へ 【か】 - 1 次へ >>>