種族 population

種族Iの星は生まれて間もない若い星,種族IIの星は銀河系形成後まもなく誕生した年老いた星である.太陽は種族Iである.

この星の種族(population)という考え方は,1944年バーデによって導入された.彼は,アンドロメダ銀河の中心部を観測し,構成する星が赤色巨星であるにも関わらず,これらが太陽近傍のものとはタイプが異なり,むしろ球状星団を構成する星に近い特徴を持つことを知った.このことから,恒星は2つの種族があるとの考えに達した.星の種族による特徴は以下のとおりである.

星の種族による特徴
特徴種族I種族II
銀河系内での分布円盤部ハロー
属する星団散開星団球状星団
重元素の量多い少ない
星のスペクトル型O,B型星が多いK,M型星が多い
明るい星青い超巨星赤色巨星
星の固有運動速度小さい速度大きい

参考文献

小平桂一編 「現代天文学講座6 恒星の世界」 恒星社
林忠四郎編 「星の進化」 共立出版