星雲のカタログ Cataloue of Nebular

望遠鏡を天体に向け,はじめて星雲をカタログに記載したのはイギリスのハレーであった.アンドロメダ銀河を含む,わずかに6個のカタログである.その後,1774年にフランスのメシエが45個のカタログを発表した.このメシエカタログは友人であるメシェンの助けで計103個となった.本来は彗星の捜索のために紛らわしい天体をリストアップしたものである.なお,メシエカタログの中にはいくつか誤りがある.M40は二重星,M73は4個の星で,M91は不明天体で,M102はM101の二重登録である.メシエ自身のリストは103番で終わっているが,20世紀になって科学史家の提案でメシエが観測していたと思われる天体がさらに7個が追加された.現在も「M」の頭文字と番号によって呼ばれ,親しまれている.

1783年,イギリスのウイリアム・ハーシェルFredrick Williamは当時最大の18インチ反射望遠鏡を使用して,大規模な星雲・星団のカタログを作り始めた.1802年には2500個のカタログを出版した.息子のジョン・ハーシェルJohn Frederick Williamは南半球での観測を含め,5079の天体を含むGCカタログ1864年に刊行した.1888年にはアーマー天文台のドライヤーが,7840個の天体を含むNGCカタログ(New General Catalogue of Nebulae and Clusters of Stars),7年後にさらに1529個のリストが補遺として,ICカタログ(Index Catalogue )として出された.1908年のインデックス・カタログ第2版では,5386個の天体を含むように拡張された.

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参考文献

藤本光昭 編「銀河と宇宙」恒星社厚生閣,1981