メインベルト main belt

小惑星の多くは,火星軌道と木星軌道の間に分布しており,これをメインベルトと呼ぶ.メインベルト以外の領域に軌道を持つ小惑星で,特に地球に接近するものは特異小惑星(地球近傍小惑星)といい,木星軌道と土星軌道の間を巡るものはケンタウルス族という.

メインベルトを構成する小惑星の大きさは,最大のセレス(Ceres)でも直径約910kmで,以下,パラス(Pallas)の520km,ベスタ(Vesta)の500km,ジュノー(Juno)の240kmと続き,これを4大小惑星と呼んでいる.しかし,10000個近く発見されているメインベルトの小惑星の大半は,直径数kmから100km以内である.

メインベルトの小惑星は,もともと一つの惑星だったものが天体衝突による破壊で多数の小惑星に分かれたものと考えられている.これは,1918年に平山清次が,同様の軌道要素を持つ小惑星のグループがあることから発見し,平山族(Hirayama family)の名前で知られている.現在,平山族として100以上の小惑星が同定されており,とりわけ,コロニス族(Koronis),イオス族(Eos),テムス族(Themis)が有名である.

トロヤ群(Trojan family),ヒルダ群(Hilda family),チューレ群(Thule family),カークウッド・ギャップ(Kilkwood Gap)などの詳細は族・群の小惑星の項を参照のこと.

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