うみへび座
うみへび座の神話

学名:Hydra・略符:Hya・概略位置:赤経10時30分・赤緯:−20度・21時南中:4月25日・肉眼星数:162・星座面積:1303平方度

うみへび座は星座面積第1位の星座である.かに座の南に始まり,しし座からおとめ座の下を通っててんびん座まで,その長さは全天のおよそ4分の1余りに及ぶ.頭部を形づくる微光星の集まりから,点々と淡い星々で綴る星列のうねりから蛇の姿を想像することは容易である.星座ができた紀元前4000年頃は歳差現象のためこの星座はちょうど天の赤道上にある真東から上がり,ま西へ沈んでいた.

α星はアルファルドと呼ばれ,アラビア語で「孤独なもの」の意味がある.赤みのかかった2等星だが,その位置から「コル・ヒドラエ(ヒドラの心臓)」とも呼ばれている.デンマークの天文学者チコ・ブラーヘの命名と言われるのだが,色といい,その位置といい何だかぴったしといった感じがする.尻尾に近いR星は4等級から10等級まで変光するミラ型の変光星だ.周期は386日余りだが,変光が発見された18世紀初め頃は500日程であったといわれている.小口径の望遠鏡でも楽しめる星雲・星団では,NGC3242,NGC2548やM68,銀河ではM83などがある.