■ 人名辞典【す】 ページ  - -

イブン・スィーナー Ibn Sina, Abu'Ali al-Husayn ibn 'Abd allahAvi-cenna (980〜1037)

ペルシャの哲学者,医者.著書は90冊以上あるが,天文,数学書は10冊ほどである.彼の書はラテン語に訳され,ヨーロッパで15〜16世紀にしばしば出版された.彼はアリストテレスの学説を誤りなく伝えようとした.

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参考文献

中山茂編「天文学人名辞典」恒星社
アボット編「世界科学者事典」原書房,他


スイフト Swift, Lewis (1820〜1913)

アメリカの天文学者.ニューヨーク州の農家に生まれ,ロチェスターで金物店を開きながら観測し,つぎつぎに彗星を発見した.製薬会社が彼のためにたてたウォーナー天文台台長となり(1884〜93),後エコー山天文台の台長(1893〜1901)として,観望サービスを行なった.晩年失明し,不遇のうちに他界したが,12個の彗星を発見し,星雲も1200個8以上発見した,1878年の日食の際,ヴァルカン(水星軌道内にあるといわれた惑星)を発見したと発表して話題を呼んだ.エドワード・スイフトは彼の息子で,彗星を1個発見している.

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参考文献

中山茂編「天文学人名辞典」恒星社
アボット編「世界科学者事典」原書房,他


スウィングス Swings,Pol F. (1906‐  )

ベルギーの天文学者だが,活動の舞台はアメリカの天文台である.1927年,リエージュ大学で博士号をとり.1932年リエージュ大学の天体物理学教授となる.恒星分光学の分野で活躍し,気体平衡の理論を分子スペクトルにまで拡張し,晩期型星の主要なバンド・スペクトルの説明に成功した.フランキン賞受賞.1958年十年記念賞受賞.近年はベルギーのスクレサンの天体物理学研究所ですごした.

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中山茂編「天文学人名辞典」恒星社
アボット編「世界科学者事典」原書房,他


スウェーデンボリ Swedenborg,(本名 E.Svedberg (1688〜1772)

スウェーデンの哲学者,神秘思想家,科学技術者.英語読みでスウェーデンボルグとして知られる.自然科学に精通し,1716年鉱山官をつとめた.ノルウェーとの戦争に際しては舟艇運搬機を発明. 55歳以降職をすてて聖書研究に没頭し,心霊現象についてもいろいろの記述を残した.

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中山茂編「天文学人名辞典」恒星社
アボット編「世界科学者事典」原書房,他


スカリゲル ScaligerBordonius, Julius Caesar (1484〜1558)

イタリアの天文学者,医者,植物学者.カエサルは天文学者による命名.加速運動は運動する物体の内部に存続する重力によって生ずると主張.彼の息子 Scaliger, Joseph Justus(1540〜1609)は現代年代学の創始者で,ユリウス日を制定したが,“ユリウス”の名は父に感謝の意を表してつけられたものである.

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中山茂編「天文学人名辞典」恒星社
アボット編「世界科学者事典」原書房,他


スキヤパレリ Schiaparelli, Giovanni Virginio (1835〜1910)

イタリアの天文学者.トリノ大学卒業後,トリノ大学で数学を教え,後ベルリン天文台とロシアのプルコヴォ天文台で天文学を研究.1860年にブレラ天文台に入り,1862年に台長,1900年に引退した.
小惑星ヘスペリアを発見.1866年には“流星群の経路と起源”について論じたのをはじめとして,流星群と彗星との関連,とくにペルセウス座流星群と1862U彗星との関連を示したことで,パリ科学アカデミーのラランド賞および各国から多数の賞を贈られた.

1877年から22cmメルツ屈折望遠鏡で火星面を観測し,詳細な模様を示す火星図を作り,初めて海,大陸に分類した.自転軸の方向,視直径,地心緯度,の変化を求めたほか,話題になった黒い線模様“カナル”(溝という意味だが,運河と誤訳された)を観測した.彼は水星と金星の自転周期が,その公転周期に等しいと発表した.天文学史にも興味をもち,1899年から1907年にわたってバビロニア,ユダヤ,ギリシャの天文学史の研究に重要な成果を残した.

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中山茂編「天文学人名辞典」恒星社
アボット編「世界科学者事典」原書房,他


スコット Scott, Elizabeth (1917〜  )

アメリカの天文学者.カリフォルニア大学バークレー本校で活躍中で,銀河および銀河団の研究に貢献している.銀河の光度について,平均のSc型銀河では太陽の2×109 から,楕円銀河ではわずか4×108 倍にすぎないという値を出している.また銀河団の群集度の解析も行った.

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中山茂編「天文学人名辞典」恒星社
アボット編「世界科学者事典」原書房,他


スコット Scot, Michael (1200以前〜1235頃)

アラブの著作物の翻訳者,占星術師.トレドでアラビア語を学び,フリードリヒ2世の宮廷でアリストテレスの著作やイブン・ルシュド(アヴェロエス)の評論などを,アラビア語からラテン語に訳し,ヨーロッパ各地の大学にアリストテレスの訳書を伝達したが,星占いを盛んに行なった.

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中山茂編「天文学人名辞典」恒星社
アボット編「世界科学者事典」原書房,他


ズッキ Zucchi, Niccolo (1586〜1670)

イタリアの数学者で神学者.イエズス会の大学で学びフェルディナンド2世の宮廷でケプラーに会い,光学に興味をもつ.1616年(1608?)金属鏡と接眼レンズからなる反射望遠鏡を作っている.改良した器械で,彼は1640年に火星面の模様をとらえた.これはフォンタナの観測より4年も早いもので,カッシニが火星の自転周期を決定するにあたって,この資料を利用した.

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中山茂編「天文学人名辞典」恒星社
アボット編「世界科学者事典」原書房,他


ステビンス Stebbins, Joel (1878〜1966)

アメリカの天体物理学者で光電測光の開拓者. 1899年,ネブラスカ大学,ウィスコンシン大学とカリフォルニア大学で学び,1904年にイリノイ大学助教授となり,1913年に天文台長,1922年ウィスコンシン大学教授,ウォッシュバーン天文台長をつとめる.

1906年から光電池を用いての観測を開始し,1913年に光電管と静電式電位計,1930年代には真空管増幅器,1945年以後光電子増倍管の利用へと発展させた.成果の中には,食連星アルゴルの第2極小の発見,色−光度関係図表,連星の相対等級の決定,銀河系のふくらみの検出,B型星の色超過測定,選択吸収の精査,太陽の実視等級,色,温度測定,北極標準星システムの確立などがある.1915年,全米科学アカデミーのドレーパー・メダル受賞.1950年,王立天文学会のゴールド・メダル受賞.

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中山茂編「天文学人名辞典」恒星社
アボット編「世界科学者事典」原書房,他


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