アンドロメダ銀河 Andromeda galaxy

アンドロメダ座にある有名な渦巻銀河.我々の銀河系に近く,日本から肉眼で見える唯一の銀河である.M31,NGC224とも呼ばれる.

アンドロメダ座ν星の近くに明るさ3.5等(V)でぼうっと輝いているのが肉眼でも見えるため,既に10世紀ペルシアのアル・スーフィーの星表に「小さな雲」として記されている.2000億個以上の恒星を含み,Sb型で,大きさ約3゜×1゜に拡がっている.距離約230万光年で,局部銀河群の一員である.太陽に対して秒速300kmで近づいている.我々の銀河系には秒速120kmで近づいている.すぐそばに2つの矮小銀河M32とNGC 205(M110)を伴っている.300個以上の球状星団も発見されている.

1923年には,ハッブルがこの銀河にセファイド変光星を発見し,その明るさの測定から,この天体が我々の銀河系の外側の天体であることを発見した.これにより,銀河系の外側に「銀河」があることが初めて認識された.ハッブル宇宙望遠鏡による観測で,2つの核が発見され,その一方には大質量ブラック・ホールの存在が示唆されている.

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参考文献

理科年表1999,丸善
de Vaucouleurs ら Third Reference Catalogue of Bright Galaxies
http://seds.lpl.arizona.edu/messier/m/m031.html
Lauerら Astronomical Journal 116巻 2263ページ (1998)