星の進化

星は星間物質から生まれる.星間物質が何らかの理由により収縮すると,やがて原始星が生まれる.原始星はさらに収縮し,その過程で重力エネルギーを解放する.この重力エネルギーの解放で光っているのがおうし座T型星である.

そして,星の内部が十分に高温になると核融合反応が始まる.水素の核融合反応で星が輝いている段階は非常に安定しており,また,星は進化の大半の時間をこの段階で過ごす.この段階の星のことを主系列星と呼ぶ.

やがて,星の内部で,水素の核融合反応で作られたヘリウムがたまってくると星の外層は膨張し始める.この膨張した星を赤色巨星と呼ぶ.

これから先の進化は星の質量により異なり,小質量の星は外層部のガスが流れ出して惑星状星雲を形成し,中心部は収縮して白色矮星となる.白色矮星はやがて冷えて光らなくなり,その進化を終える.

太陽質量の約8倍以上の星は超新星爆発を起こして外層部を吹き飛ばす.その中で質量が比較的小さなものは中心部には何も残らない.質量が中程度の星は中心部は収縮して中性子星が残る.大質量の星では中心部にブラックホールが残る.

そして,惑星状星雲や超新星爆発の残骸は星間物質となって次の世代の星を生み出す材料となる.

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参考文献

大森昌衛,森本雅樹,1997,地学IB,実教出版