101cm望遠鏡:焦点位置概要

カセグレン焦点(特殊接眼部)、フォールデッド・カセグレンN焦点(撮像)、フォールデッド・カセグレンS焦点(分光)、ナスミス焦点(カメラ写真)の計4ヶ所が使用可能です。

カセグレン焦点

特殊接眼部

カセグレン部には、眼視用接眼部と、ビデオカメラ用の特殊接眼部が搭載されています(2019年現在、測光器は取り外されており、眼視接眼部のみでの運用)。接眼部はターレット式での接眼レンズが選択可能となっており、150倍、300倍、430倍のアイピースが使用できます。また、2インチ径アイピースも使用可能です。

フォールデッド・カセグレンN焦点

フォールデッド・カセグレンN焦点

フォールデッド・カセグレンN焦点側では、冷却CCDカメラ(STL-1001E)及び、各種一眼レフカメラを取り付けての観測が可能です。筐体内には、レデューサー(選択式, F/6へ変換)とフィルターホイールが内臓されています。レデューサー非挿入時の焦点面のスケールは17 秒角/mm(59μm/秒角)です。 レデューサーとSTL-1001Eを併用する場合、写野は円形(14分角円)となり、周辺では収差歪みが出ます。

フィルター

フィルターは全て50mm x 50mmの正方形で、厚みは5mmです。

名称中心波長(Å)バンド幅(Å)
No Filter
B4360940
V5450880
R63801380
I79701490
6598110

撮像装置ごとの特性

装置名画素数視野角ピクセルスケール
STL-1001E1024 x 10246.8 分角 x 6.8 分角0.406 秒角/pixel
Sony α7S4240 x 283210.1分角 x 6.8分角0.143 秒角/pixel

STL-1001Eでは、上記フィルターと独立に、内臓RGBフィルターも使用可能です。 レデューサー使用時は焦点距離が半分(F/6)となり、ピクセルスケールも倍になります。レデューサー使用する場合、写野は円形(14分角円)となり、周辺では収差歪みが出ます。

フォールデッド・カセグレンS焦点

フォールデッド・カセグレンS焦点、分光器

可視分光器(R =1,500~15,000)が設置されています。 天体に応じて分解能が変更可能です。

スリット

南北方向へ固定された長さ7分角(25mm)スリットです。幅は 1, 1.5, 2, 5秒角から選べます。他にCCDティルト調整用、35秒角のダイヤフラムがあります。 スリットビューワー兼オートガイダーとして、ST-6(視野角 8×5分角)がついています。

光源

波長較正用光源として、ホロカソードランプ(Fe,Ne)、内部フラット光源としてハロゲンランプが使用可能です。

オーダーカットフィルター

7000Å以上の波長域を観測する場合は、青域カットフィルター(フィルター2番)を使用します。

コリメーター

コリメーターは、逆ニュートン式で口径100mm 焦点距離 f=800mm です(ビーム径67mm)。 カメラの焦点合わせをコリメーター鏡の移動で行います。

グレーティング(回折格子)

溝数(/mm)ブレーズ波長ブレーズ角
3005000 Å4°18′
6005000 Å8°38′
18005000 Å26°45′

分散度 (6500Å付近, 2″スリット)

グレーティング(/mm)カメラ(mm)分散(Å/mm)波長幅(Å)スリット像(μm)Δλ(Å)R
300 200162440027.84.51500
60020083220025.72.13100
18002002673016.50.4415000
30040081220055.64.51500
60040041110051.42.13100
18004001336033.00.4415000

カメラレンズ

カメラは、低分散用 f=200mm F/1.8、高分散用 f=400mm F/2.8のフローライトレンズ系と紫外線用にフォールデットシュミット f=400mm F/2.8が用意されています。 101cm望遠鏡とコリメータ、カメラ全体を通した分光器のF値は、低分散でF/3、高分散でF/6です。

CCDカメラ

ANDOR DU-440BVを使用します。 画素サイズ:13.5 × 13.5 μm、画素数:2048×512、冷却方式:電子冷却

ナスミス焦点

1/2縮小光学系(F/6)が入っています。Tリングを介して、各種一眼レフカメラなどがご使用いただけます。 TリングはキヤノンEOS用、キャノンFD用、ミノルタ用、ソニーα用、ペンタックス用、ニコン用、プラクチカ用があります。APS-Cサイズ(23.4 x 16.7mm)の素子を持つカメラを装着した際の視野は、12.8 x 8.6分角程度です。