恒星間天体 3I/ATLAS を撮影しました

2025年7月24日、美星天文台の口径101cm望遠鏡で恒星間天体「3I/ATLAS」を撮影しました。恒星間天体とは、太陽系の外からやってきて、再び太陽系の外へ去っていく天体です。2025年7月にチリにある「ATLAS(アトラス)」が発見し、彗星の特徴も見られることから、アトラス彗星とも呼ばれます。

画像の中央に小さく点状に写っているものが「3I/ATLAS」です。周囲で線状に写っているものは恒星(星座の星)です。7月24日午後9時40分から午後10時20分にかけて撮影した画像75枚を高速で移動する 3I/ATLAS が中央になるように重ね合わせて1枚に仕上げています。

上の画像は午後9時50分、午後10時、午後10時10分ごろに撮影した画像を順番に並べたものです。オレンジ色の〇で囲んだところに 3I/ATLAS が写っています。口径101cm望遠鏡に天体観測用のCCDカメラを取り付け、露出時間30秒で撮影しています。

3I/ATLAS や地球などの位置や軌道を示したものです。2025年7月に発見された際は太陽や地球から比較的距離がありました。10月には 3I/ATLAS は太陽にもっとも近づくため、少し明るくなりますが、地球からは太陽の向こう側に位置するため、観測は困難です。12月ごろには再び観測の好機となりますが、明け方の空にあり、また、やや暗い状態となります。

このようなことから、美星天文台では 3I/ATLAS を望遠鏡を直接覗いて見るイベントは現在のところ予定していません。