夏の星座うちわの使い方

星座うちわについて

空全体に見える星をうちわに投影しています。本来なら円形になるところをうちわの形に合わせていますから、実際の空とは少しゆがみが生じます。また、全体をひと目で見渡すことができないので、見る方向に合わせてうちわを回しながら、下の方だけを使うというのが正しい見方です。くわしくは以下で少しずつ説明していきます。
 よく晴れた日に、できるだけ街灯の少ない安全な場所へ出て、時間をかけて確かめていきましょう。「★」を一つクリアしたら次へ進むようにしてみてください。 初めて星座を探す小学生を対象としていますが、小学生だけで屋外に出るのは危険です。道路などへ出なくても、暗がりで空を見上げて歩くだけで転倒などの危険があります。必ず大人がついて、目を離さないようにしてください。

★星座早見盤との違い

どんな日時でも使えるのが星座早見盤です。このうちわは2020年の夏休み期間限定となっていますので、秋や冬には使えません。 目安として「8月上旬午後8時」を基準にしていますが、時間が経つと星の位置が少しずつ移動します。同時に日にちが変わっても星の位置は移動します。 その日のうちの2時間分の移動と、同じ時刻の1か月分の移動がほぼ同じなので、「8月上旬午後8時」と「7月上旬午後10時」は、星座が同じ位置に見えるのです。

★方角について

地図と違って東と西が逆になっています。これは星空が地面と逆に頭上に広がっているからです。図のように頭の上にかざせば、東西が地図と一致します。

★月を見つける

月は目立つので、何も使わないで見つけられます。ただし、毎日大きく位置を変え、タイミングによっては空に出ていないこともありますので、このうちわには表示していません。 その日の月の出と月の入りの時刻はこちらから調べられます(新聞にも載っています)。

★木星を見つける

うちわをまっすぐに持って南に向きます。 このとき、見えている空はうちわの下の方だけです。 真南より少し左(東の方向)にある一番明るい星が木星です。 ほかのどの星よりも明るく輝いているので見つけやすいです。

★土星を見つける

木星のすぐ左(東の方向)に見えているのが土星です。 木星に比べるとかなり暗いですが、街中でも見つけられます。 30倍以上の望遠鏡を向けると、リングを見ることができます

★北斗七星を見つける

木星と土星を背にして真反対の方向を向き、上下逆さまにしたうちわをかざします。 この場合も、うちわの下の方の空だけが見えています。 柄を上にした北斗七星が北西の空に見えます。 北斗七星は星座ではなく、おおぐま座の一部です。

★北極星を見つける

北斗七星の下の星二つを結んで、右へ5倍伸ばします。 その先にポツンとある星が北極星です。 この北極星が見える方向が真北になります。 正確な南北がわかると、東西も確定できます。

★春の大曲線を見つける

春には頭上にあった春の大曲線も西に傾いています。 うちわを左手で横にして持って西を向きます。 ここでもうちわの下の方だけが見えています。 北斗七星のひしゃくの柄にあたる上四つの星を結んで、そのまま大きなカーブを描き、 橙色の明るい星にぶつかったら、それがうしかい座の一等星アークトゥルスです。 さらにカーブを伸ばしていくと、やや暗い一等星スピカにたどり着きます。この北斗七星からアークトゥルス、スピカへつながる曲線が春の大曲線です 。

★夏の大三角を見つける

今度はうちわを右手で横にして持って東を向きます。 真上近くで明るく輝いているのがこと座のベガ、おりひめ星です。 その右下の一等星がわし座のアルタイル、ひこ星です。 ベガの左下にある一等星がはくちょう座のデネブ、この三つで夏の大三角形になります。

★天の川を見つける

デネブから、ベガとアルタイルの間を抜け、木星の右へ向かって天の川が流れています。 空が暗いところならうす雲のように見えますが、周囲が明るいと見えません。

★さそり座を見つける

真南の空のあまり高くないところに赤っぽい一等星アンタレスがあります。 アンタレスの右上から左下に向かって、細長く伸びたSの字の星の並びがさそり座です。 低いところにあるので、暗い場所でないと見つけにくいかもしれません。

【発展】

★全方位で使って見る

星座うちわは東西南北だけに向けるものではありません。北東や南西ではうちわを斜めに持ちます。 うちわを持った状態で、体を360度回してみましょう。体が1周する間にうちわも1回転するように回します。これでどの方向に向いてもうちわの向きも正しくなります。

★小さな星座に挑戦する

ここまでの星座がわかったら、大きな星座の隙間にある小さな星座を探してみましょう。 いるか座、かんむり座が見つけやすいです。

★月の動きを追いかける

今年は7月24日ごろから月が見え始めます。毎日、見える方向、見えている時間、形が変わっていくので、変化を記録してみましょう。

★火星を見つける

遅い時間に東から火星が昇ってきます。 今年は火星が地球に接近する年です。最も近づくのは10月になりますので、その前後に注目してみてください。

★星座早見盤に乗り換える

日付と時刻を合わせることで年中使えるのが星座早見盤です。早見盤の楕円形の窓に出てくる部分が、このうちわのように空全体をあらわします。早見盤は非常に便利な道具ですが、早見盤を使って星座を覚えるというのは間違っています。知っている星座がいつ、どこに見えるかを確かめるのが早見盤なのです。したがって、ある程度の星座を覚えてからでないと早見盤を使いこなすことはできません。このうちわで、おもな夏の星座を覚えたら、同じ星座を早見盤でも確かめてください